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更新拒絶の正当事由が不要な3つの契約形態とは?

今回は賃貸借契約において契約更新時に更新拒絶の際に正当事由が不要となる3つの契約形態について

少し書いてみようと思います。

通常の賃貸借契約であれば貸主から解約を希望したり更新拒絶をする場合には終了時の1年前から6か月前までの間

に借主に対して更新しない旨の通知をしなければいけません。通知をしなかった場合には以前の契約と同一の条件で

契約が更新したものとみなされます。

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また通知する場合であっても貸主からの解約や更新拒絶には正当事由というものが必要になります。

正当事由とは例えば

・貸主や借主がその借地や建物を必要とする事情

・借地や建物の利用状況

・借家や建物の賃貸借に関する従前の経過

・立退料の有無

などが総合的に勘案されて正当事由として認められるかが判断されます。

しかし例えば家主の家族がその建物を利用するからという理由では認められにくい事も多く、また建物の老朽化

による建て直し等の理由であっても築20~30年くらいの老朽化では正当事由として認められない事も多く

あります。

また立退料の提供が全くなされない場合には正当事由としても認められないケースも多いです。

このように貸主からの更新拒絶や解約の申し入れには割とハードルが高く簡単には立ち退きが認められない

傾向があります。しかしながらこの更新拒絶の正当事由が不要な借家契約というものが存在します。

それではその契約形態について3つほど挙げてみます。

建物取壊し期限付建物賃貸借契約・定期借家契約・一時使用建物賃貸借契約

更新拒絶の正当事由が不要な契約形態として建物取壊し期限付建物賃貸借契約・定期借家契約・一時使用建物賃貸借

契約などが挙げられます。

この3つの契約形態に関しては正当事由が不要となります。主に事業用でも利用される事の多い契約形態ですが

それぞれに特徴があります。貸主さんとしては将来その土地などを自己利用する事が決まっていればこの3つの

契約形態のいずれかを取るほうが良いと思いますが、借主さん側からすると決まった時期に契約が終了してしまう

ので、その分賃料を低くする等しないと借り手が見つからない場合もあります。また定期借家であっても相当の長い

期間を契約期間とするのであれば通常の賃料相場とほぼ変わらない賃料設定ができる場合もあります。また事業用

で考えた場合、期間限定で賃借するという事は初期費用を回収できない状態のままで契約期間が終了してしまったり

商売が成長時期に差し掛かったあたりで契約終了となってしまう事も考えられます。また特約等で借主からの

中途解約が認められていない場合には、経営の悪化などの事情から借主が中途解約を申し入れても契約期間の

残存期間分の賃料の差し入れを貸主から求められるケースもありますので注意が必要になります。

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建物取壊し期限付建物賃貸借契約

契約により一定期間が経過した後に建物を取り壊す事が明らかな場合に、その取り壊しの時に賃貸借契約が終了と

なる事を定めた契約形態になります。この建物取壊し期限付建物賃貸借契約には一定の要件があり例えば

・契約や法令により一定の期間が経過した後に建物を取り壊す事が明らかになっている場合

・建物取壊しによってその賃貸借契約が終了する旨の借主との合意

・建物取壊しの事由を記載した書面で合意する事

などが挙げられます。また取壊し予定の建物についても一定の要件が付いています。

しかし定期借家契約のように公正証書で契約を締結する必要はなくあくまで後々を考えて書面で契約締結をしておく

という事が必要になっています。

定期借家契約

定期借家契約とは契約期間の満了とともに契約が終了する契約形態の事です。

定期借家契約では貸主は借主に対し更新がなく期間の満了をもって契約が終了する事を記載した書面を

交付して説明しなければならないとされています。また定期借家契約では書面は公正証書による契約締結が

必要になっています。期間が満了となれば更新はなく当然に契約は終了します。その場合であっても期間1年以上の

契約の場合には貸主は借主に対し満了の1年前から6か月前に契約が終了する旨を通知しなければいけない事に

なっています。しかしお互いが合意をすれば再契約とはなりますがその建物を引き続き使用する事は可能です。

契約更新ではないので借主には更新料の負担は発生しないという事になります。

一時使用建物賃貸借契約

最後に一時使用建物賃貸借契約についてですがこの契約形態は建物の一時的な使用が明らかな場合にのみ認められる

賃貸借契約となります。例えば展示会を開くときにその建物を一時的に利用したり、貸主が海外赴任のために

他社に一時的に使用させる等の状況がこの契約形態に当てはまります。

一時使用の賃貸借として認められるには契約当事者が一時使用である事を十分に認識している事や建物の使用状況が

客観的に見て明らかに一時使用目的である事などの要件が必要になってきます。また一時使用として認められるには

その賃貸借の動機や目的・建物の種類や権利金・敷金の授受の有無・契約期間などによっても判断が異なりますので

注意が必要です。

また一時使用建物賃貸借の場合には借地借家法の適用を受けないという事もこの契約形態の特徴の1つであると

言えると思います(借地借家法第40条)。借地借家法ではなく民法の適用を受けるので解約や更新拒絶時の

正当事由は不要という事になります。借地借家法は主に借主保護のウェイトが強いので、この契約形態の場合には

借主さんは詳細を確認した上での契約が必要かと思います。

 

正当事由が不要な契約形態について3つほど挙げてみました。それぞれに貸主さん・借主さん共にメリット・

デメリットがあると思います。契約締結をする際には自分なりによく注意事項を確認した上で契約に望みたい

ものですね。

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