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西船橋 賃貸 オーナーチェンジ時に起きるトラブルとは

今回はオーナーチェンジ時のトラブルについて少し書いてみようと思います。

オーナーチェンジとは賃貸物件の所有者が入居者が入ったままの状態でその物件を売却する事です。

借主さんから見れば大家さんが変わるという事ですね。

オーナーチェンジされたとは言っても新しい大家さんは基本的には以前の貸主(大家さん)との地位を引き継ぐ事に

なるので借主さんとしては今までとあまり変わらないのでは?と思う方もいるかもしれませんが意外にトラブルは

付きものです。

今回はそのオーナーチェンジ時のトラブルについて幾つか挙げてみます。

オーナーチェンジによる家賃の増額を言い渡された

オーナーチェンジによって家賃の増額を言い渡される事があります。新しい大家さんに代わる事によって

その大家さんが家賃が安すぎると感じたり収益物件として購入し利回りを意識するがために、家賃をもう少し

上げたいといった場合です。しかしオーナーチェンジとはいっても契約内容は以前と変わらずそのまま引き継がれる

事になりますのでオーナーチェンジを理由に家賃を値上げする事は基本的に難しいです。大家さんから家賃の

値上げや逆に借主さんから値下げを請求することはいつでも可能ですが、認められるかどうかには正当な理由が

必要になってきます。正当な理由とは例えば近隣相場との格差是正や建物を維持するための維持費の高騰など

がそれにあたります。

オーナーチェンジによる立ち退き要求

次はオーナーチェンジによる立ち退き要求です。新しいオーナーに変わった時に借主さんに対して退去してほしい

と言い渡される場合があります。もちろん新オーナーも入居者付の物件を購入した訳ですし、オーナーチェンジ

による即時の立ち退き要求は考えにくいかもしれませんが実際にある事です。

想像が付く方も多いかと思いますがオーナーチェンジを理由とした立ち退きというのは認められません。

家賃の値上げと同じく以前のオーナーの地位を承継し、立ち退きにも正当な理由が必要になるからです。

立ち退きの正当事由とは例えば「貸主と借り主のどちらがどの建物の使用を必要としているか」や「建物の利用状

況」「建物の老朽化」「借主の信頼関係を損なうような契約違反行為の有無」など幾つかの事由を総合的に考慮して

正当事由を判断します。また補完的役割として立退料(家賃の5~12か月分くらい)が発生する事が

一般的です。

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オーナーチェンジによる敷金の引き継ぎ

次はオーナーチェンジによる敷金の引き継ぎです。敷金も同じく新オーナーに引き継がれる事になります。

前オーナーと新オーナーとの売買契約書にも敷金承継の件が記載されているのが普通です。

また一般的には売買代金と敷金は相殺して決済をする事が普通です。 例えば前オーナーが入居者から50万円の

敷金を預かっており新オーナーがその物件を1000万円で購入したのであれば新オーナーは950万円を

代金として前オーナーへ支払う事になる場合が多いです。またオーナー変更時にはその旨を入居者に通知する必要も

あるかと思います。つまり借主さんとしては退去時にはその新オーナーに敷金返還請求をする事になります。

これは事業用テナント物件についても同様です。特に事業用の場合には敷金というよりは保証金の預け入れ

が行われている場合が多く、その額も賃料の3~10か月分と居住用と比較すると高額になります。

またその契約内容により毎年の償却があるのか、解約時一定率の償却なのか等も確認しておく必要が

あります。

しかしこれが競売によるオーナーチェンジの場合は話が変わってきます。競売の場合は敷金が返還されない

場合があるからです。特にその競売物件に付いている抵当権の設定時期と賃借権が設定された時期に

よって敷金の返還ができるかどうかが変わってきます。抵当権が設定された時点ですでに賃借権(借主

さんが賃貸借契約を締結)が設定されていれば新オーナーに対して敷金返還請求ができる事になります。

逆に賃借権が抵当権より後に設定されていた場合には敷金が戻ってこない可能性も高くなってきます。

その場合には旧オーナーに対して返還請求をする事になりますが実際には返還はかなり困難かと思われ

ます。ですが敷金を返還請求する事は難しいとして別の手を考えるとするのであれば、現在の家賃との

相殺という手は考えられると思います。競売期間中であっても預けてある敷金の金額に到達するまで

家賃の支払いを拒むという事や減額請求をする事が考えられます。もちろん旧オーナーの立場からすれば

簡単に話を呑むとは考えずらい所ですが状況によっては供託を利用するという考え方もあると思います。

また競売が決定したらできるだけすぐに行動するほうが功を奏す場合が多いように思います。その物件に

そのまま住み続ける事ができるにしても基本的には旧オーナーから新オーナーに所有権移転がなされた

時点で家賃の振込先が変わります。(所有権移転後からは新オーナーへ支払)そのため旧オーナーへ

家賃を支払っている期間中でないと家賃の相殺が困難になる場合があるからです。

オーナーチェンジによる保証人の変更

次はオーナーチェンジによる保証人の変更です。賃貸借契約では通常は保証人を立てる事が一般的です。

保証人には親族が望ましいとされていますが親戚や知人などの場合もあるかと思います。オーナーチェンジ時には

保証人にも所有者変更の旨を通知される事が一般的なため、オーナーチェンジ時に「保証人をやめたい」と言い出す

人も中にはいます。

しかしこの場合も同じく賃貸借契約は新オーナーに移転し、借主の賃料債務を保証する保証契約関係も特約が

ない限り、保証人の同意なく新オーナーへ引き継がれると考えられます。

そのためオーナーチェンジがあったからといって保証人をやめる事は基本的にはできない事になります。

但し保証人をやめたいという事に対して新オーナーがそれに応じた場合には合意解約となり、借主さんは新しい

保証人を立てる必要がある場合もありますので注意が必要です。

オーナーチェンジによる新オーナーの保存義務違反

次はオーナーチェンジによる新しいオーナーの建物の保存義務違反によるケースです。例えば新オーナーが

ペット禁止の建物にも関わらずペットを飼い始めた事などがあたります。

賃貸借契約自体はそのまま新オーナーに引き継がれることになりますのでペット禁止の特約等が契約書に記載

されていれば特約の効力も承継される事になります。

しかしながら承継されるのは借主さんとの個々の部屋の賃貸借契約についてであり新オーナーが自分の自宅として

使っている分には賃貸借契約の契約違反とは考えにくいのが一般的かと思われます。

したがって新オーナーに契約違反を問うのは難しいと思いますが、ペット禁止の建物であれば新オーナーも

建物の保存義務に反するとも考えられますので管理会社などを通してその旨を通知してもらう等の対処が

必要かと思います。

オーナーチェンジによるサクラの入居者?

これまでは主に借主さんの視点で書いてみましたが、買主さん(新オーナー)の立場から見てもオーナーチェンジ

物件には問題が発生する場合もあります。

オーナーチェンジ物件はその物件を購入する時点で入居者が入っており、物件の買主としてもその物件の家賃から

収益計算を比較的立てやすく、またその家賃収入でローンなどを返済する場合もあります。

しかしその入居者が仕込み(サクラ)だったとしたらでしょうか。その物件を早めに売却するために入居者が

既に居住中であるというカモフラージュを効かせ買い手に収益が安定している物件である事を強調し、購入させた

後にすぐに入居者が退去してしまうという構図です。もちろんその入居者が仕込みであった証拠は何も残りません

から購入者としては新たに入居者を募ることになります。すぐに借り手が見つかれば良いですがそう上手くいかない

場合もあります。またオーナーチェンジ物件の場合、入居者が住んでいる事から部屋の内部を見る事もなく購入

してしまうというケースもよくある事で、後々になって部屋の内部に不具合があったという話もあります。

その場合には余計な修繕やリフォーム費用も必要になってくる事もあり、修繕箇所によっては百万単位の費用が

必要になる事もあります。そうなると購入当時の収益計算や予想利回りは一気に吹っ飛び、最悪のケースでは

売却しようにも売却できないケースもという事も想定しなければいけません。あくまでこれは一例で良質な

オーナーチェンジ物件がほとんどかとは思いますが、購入時には物件の内見や賃貸借契約書、入居者の過去の

賃料の支払い履歴などを参照してじっくりと検討する事が必要かなとも思います。

オーナーチェンジ時に管理費・修繕積立金が滞納されていた?

オーナーチェンジの際に前所有者が管理費や修繕積立金を滞納しているというケースもあります。

考えてみれば所有者が自分の資産であるマンションやアパートを売却する時というのは何かしらの事情でお金が

必要になった時が多いです。また人によっては金銭的に追い詰められている事もあります。そのような状況に

なった場合、毎月の支払いである管理費や修繕積立金が滞納されているという事は十分想定される事です。

従って新オーナーはその物件の管理費や修繕積立金が滞りなく支払われているかどうか確認する必要があります。

区分所有法では他の区分所有者や管理組合に対しての債権は特定承継人(新オーナー)に対しても行う事ができる

とされています。(区分所有法7条8条)あくまで管理費や修繕積立金は建物の共用部分の管理に充てるもの

であり、例え前オーナーが滞納していた事を新オーナーが知らなかった場合でも(善意無過失)、新オー

ナーもその支払義務を負う事になる場合がありますので注意が必要です。(旧オーナーが支払い義務を免れる訳ではありません)

もっとも不動産を購入する場合には不動産会社が仲介する事も多く、管理費や修繕積立金を滞納していた場合には

契約時の重要事項説明書にてその説明がなされる事が一般的かと思いますが、それだけに頼るのではなく

自分で詳細を確認するといった意識も必要だと思います。

また物件の中には所有者が行方不明で10~20年管理費が未納のままの物件がありますが管理費や積立金の

多額の滞納があるからと言って投資対象から外してしまうのは勿体ないというもの。実は管理費などに

関しては方法によっては5年間分の支払いに軽減する方法があります。その方法は商事債権の短期消滅時効を

援用する事です。消滅時効は5年(60か月)までと決まっておりますので管理組合に対し内容証明等で

宣言する事によって5年以上の滞納分は支払わなくても良い事になる可能性が高いです。しかしその間に

1円でも支払ってしまうと時効中断を認めてしまう事になるので一切支払いをせず時効を主張する事により

過去5年間分以上の管理費等は支払いをしなくても良い事になるかと思われます。

オーナーチェンジ時後に多額の修繕費用がかかってしまった?

これもよくある話ですね。購入時の不動産屋の話では「管理も施行も大手ですので安心ですよ」とか

「大規模修繕も近年行われていますのでしばらく大丈夫です」なんて話が出る事もあります。

管理会社というのはマンションの場合、販売会社の子会社が管理会社となっている場合も多く、例えば

建物の施工に瑕疵があったとしても隠蔽する可能性もあります。親会社に文句は言えませんからね。

また大規模修繕はある意味では管理会社の稼ぎ時です。管理会社の指定する修繕業者からは紹介料や

マージンが発生している場合も多くあります。

大規模修繕が近年に実施されていたとしても十分な内容の修繕が実施されていたとは限りません。

特に組合の財政が芳しくない場合には外壁や鉄部しか修繕が実施されていないなんて事もあります。

大規模修繕は12~15年毎に行われるのが一般的でその後に20~25年で第二期、30~35年で

第三期の大規模修繕が行われます。築年数が古いほど過去にどのような修繕が実施されてきたのか

確認する事が必要になってきます。EVは取り替えされた事はあるか、屋上防水は改修された事があるか、

外壁はどうか(剥離するような状態になっていないか)、給水管・排水管の取り替えの必要性、

給水タンクやポンプの取り替え等々、細かく見ていけばチェックポイントは沢山あります。

特に給・排水管の取り替えが必要な場合には専有部分に通っている管の交換はその部屋のオーナー負担に

なってしまう事も多いのでどのような材質の管が使用されているかや過去の交換時期等もチェックしておく

必要があります。また交換が必要な場合でもできれば大規模修繕時に一緒に工事してしまいたいものです。

また建物について言えば特に築30年を超える建物については耐震性も確認しておきたい所です。

1981年以前の建物については旧耐震基準で施行されていますので耐震性に問題がある場合があります。

組合に余裕がある場合には耐震診断等を行っている場合もありますが、築30年を超えていればその辺も

ずさんになっている事も多いので出来れば新耐震法に適応した建物を選択したい所です。

また大規模修繕の際、管理組合の財政状態によっては多額の修繕一時金がかかる場合もあります。

毎月の管理費や修繕積立金が本当に適正に使用されているかなんて、一般の方はわかりません。

組合の財政状況は管理会社の采配が大きく関わってきますので決して任せっきりにせず、第三者機関に

入ってもらう等して定期的に精査する事が必要です。

オーナーチェンジ時の入居者が定期借家契約を締結していた?

オーナーチェンジする際に前の貸主と現借主が定期借家契約を締結している可能性もあります。

定期借家契約というのは期間限定の借家契約です。その期間が満了すれば借主は原則その部屋を

退去しなければいけません。普通賃貸借契約であれば前の所有者・借主間の契約は新所有者に

引き継がれますので特に契約書を作り直す必要はありません(もちろん任意で再作成する事も可能です)

しかし定期借家契約は書面で契約する事が必要な契約です。口約束の賃貸借契約はできません。

では定期借家契約が締結されていた場合、オーナーチェンジする際に借主と新所有者間で再度

書面(契約書)を作り直す必要があるのでしょうか。

定期借家契約が締結されていた場合であっても基本的に契約書を再作成する必要はありません。

普通賃貸借と同じように前の所有者と借主の契約を引き継ぐ事になるからです。

また定期借家の契約期間ももちろん前の期間が引き継がれますし重要事項説明も改めてする必要は

ありません。オーナーチェンジで注意するべき点は契約期間もあります。オーナーチェンジ物件

とは言っても先々自分で住みたいがためにその物件を購入する人もいるかと思います。

しかし例えば定期借家契約の残存期間が5年残っていたとしたら基本的に5年間は自分でその家に

住む事はできません。また自分で住む場合は建物の内部の劣化具合も気になる所ですが、入居者が

住んでいるため内見する事はできません。(前貸主と借り主が知り合いの場合や借主から同意を

得た場合を除きます)そのため販売不動産屋から提出される書面などで内部状況をよく確認してから

購入するようにしたい所です。もちろんその書面の内部写真や画像もいつ頃撮られたものか確認

する事は言うまでもありません。

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オーナーチェンジによる物件の引き渡し後に借主から設備品の故障を言い渡された?

オーナーチェンジによって旧オーナーから物件を引き渡された後、入居者から設備品の不具合や故障

を言い渡される場合もあります。その場合には新オーナとしては以前の賃貸借契約を引き継いでいる訳

ですので、借主の故意や過失によるものでなければ基本的に新オーナーが修繕費などの負担をする

事になります。これが物件引き渡し後何年も経過した後であればまだしも、数か月後に故障したなんて

ケースもあります。また最悪の場合には物件引き渡し前から設備品が故障しており、その修繕費に

ついて旧オーナーと借主とで話がこじれていたまま、オーナーチェンジをしてしまったなんて事も

あります。このような場合にはまず新オーナーとしては現在の貸主の立場として借主に対し修繕の手配や

修理負担をする事になります。新オーナーと借主との賃貸借契約がすでに締結されていますので

新オーナーが貸主としての責任を果たす事が一般的です。またその設備品の故障がオーナーチェンジ以前

から発生しているものであれば旧オーナーの瑕疵担保責任も問われてきます。その場合新オーナーとしては

旧オーナーに対し瑕疵担保責任を追及し設備品の交換や修理費用を請求する事も可能かと思われます。

また個人間売買ではなく仲介業者が仲介している場合にはトラブルを防止するために契約時には

設備品の劣化状態や耐用年数や設備の作動状況を事前に説明しておく等の配慮も必要になってくるものと

思われます。また築年数が古い建物等であれば瑕疵担保免責にしておく事もあるかと思いますが

その場合でも後々にお互いの解釈の違いが起こらないように具体的に免責範囲をよく説明しておく事も

必要かと思われます。

オーナーチェンジ時に入居者が既に家賃滞納していた?

オーナーチェンジ時に既に現在の入居者が家賃滞納をしていたという場合もあります。

通常は決済時に毎月の家賃の入金状況等を照会してから決済をするのが普通かと思いますが

オーナーチェンジ物件は収益物件の場合も多く、決済を急ぎ過ぎたために細かいチェックポイントを

確認せずに契約締結してしまう場合もあります。

借主が賃貸借契約時に家賃保証会社と保証委託契約を締結していれば、家賃滞納分は通常は

保証会社が代払いしてくれている場合が殆どです。もちろん前オーナーが事故報告を保証会社に

その都度通知していた場合に限ります。ですがこれが連帯保証人となると滞納を放置したまま

連帯保証人に請求しても滞納が解消されずにそのまま放置されているというケースもあります。

また連帯保証人は通常は借主の両親が引き受けになる事も多いですが、その連帯保証人が既に

死亡しており、保証人不在のままオーナーチェンジが行われる可能性もあります。

その場合には新オーナーとしては新たに引き受けとなる保証会社を探す事になりますが

残念ながら既に滞納をしている借主の保証を引き受けてくれる保証会社は稀だと思います。

また新たに保証会社加入を借主に打診したとしても借主自身が保証会社の審査に落ちる可能性も

ありますし、加入できるとしてもその後の料金は借主負担になる事が殆どな事から簡単に借主が応じて

くれるとは限りません。

また連帯保証人の引き継ぎをその相続人に請求するとしても相続放棄していればその請求はできませんし

簡単に連帯保証責務を認めてもらえない場合もあります。保証会社にしても連帯保証人にしても

いずれにせよ保証人無しの状態のまま借主に入居させておくという事は非常にリスクが伴います。

オーナーチェンジ時に保証人の有無や保証会社の利用有無等をしっかりと確認しておく事も必要

かと思います。

オーナーチェンジ時に前受け金が支払われていた?

オーナーと借主さんが賃貸借契約を締結した場合、毎月の家賃の支払いによりその清算を行う

事が普通ですが、中には契約期間の一括払いをしている事もあります。例えば2年の賃貸借契約である

場合に、2年分の賃料を契約時に先払いしているような状況です。居住用でもこのようなケースは

ありますが特に事業用であれば年間賃料を先払いしている可能性は十分にあります。

また縁起でもない話ですが前オーナーがその一括賃料を持ってオーナーチェンジ契約だけ済ませ、

雲隠れしてしまうという可能性もゼロではありません。賃借人との間でどのような支払形態になって

いるのか事前に充分に確認しておく必要があります。

オーナーチェンジ時のレントロールを過信し過ぎていた?

レントロールとはオーナーチェンジ物件を購入する人にとって必ず確認しておきたいものです。

不動産屋へ言えば出してくれるかと思いますがA4一枚くらいの用紙にその物件に入居している人の

契約賃料や契約年月日・敷金の額や契約者の属性などの記載があります。これを見ればある程度

その物件の賃借の流れが把握できるものです。但し中には直近になっていきなり入居者が増加

しているものやいきなり賃料が値上げしてある記載のあるレントロールも存在します。多くは

前オーナーが意図的にしかけたものが多いのですが売却を容易にするために知り合いの入居者を

入居させたりフリーレント期間を4~5か月も設けたり不動産屋へ支払う広告料の額を

高額にしたりして無理やり入居率を引き上げたものです。また入居率が高ければ金融機関の審査も

通り易くなる傾向がある事からこのように入居率を引き上げたり表面利回りを高めたりする手法を

取る前オーナーもいます。またレントロール自体の記載が誤っていたりするケースもあります。

契約年月日や賃料の記載誤りがある事もありますが中には実際には入居していないのに入居中

の表示をしているレントロールもあります。そして売買契約を締結した後に入居している前オーナーの

知り合いたちは退去していったり家賃をかなり下げないと入居者が決まらなかったり

今までと同じ額の広告料を不動産屋へ支払わないと苦情が出たりと色々な問題が発生していきます。

レントロール自体の記載事項は確かに事前に確認しておきたいものですが必ずしもそのデータを

過信するのではなく実際の入居率や稼働状況を確かめる事が必要です。

またレントロールだけではなくその建物の「重要事項調査報告書」も重要です。

重要事項調査報告書とは修繕の履歴や修繕積立金・管理費の額などマンションの管理に関する事項が

記載されたものです。修繕積立金の積み立て状況や滞納状況・大規模修繕の実施状況が把握できます。

オーナーチェンジ時には建物自体だけではなくその建物の管理会社が適正な管理を行っているか

確認しておく必要があります。中には築20年経過しているのに大規模修繕が一度も行われていない

・滞納者が多く修繕積立金が十分に積み立てられていない・滞納者への督促対応もなされていない等の

管理体制が不十分な建物が沢山あります。いくら購入時の利回りが良くても建物管理が不適切であると

その建物が10~20年後にスラム化してしまい入居者が離れていくのが目に見えています。

管理費や修繕積立金の額は適正か、定期的に修繕は行われているか、どのような修繕にいくら

支出しているか、滞納者はいないか、等々、購入前に調査出来る部分は詳細まで確認しておく

必要があります。

オーナーチェンジ時に敷地持ち分を考えていなかった?

これは特にオーナーチェンジ物件に限った事ではありませんが敷地持ち分も重要になってきます。

特にオーナーチェンジ物件は利回りだけに目がいきがちです。またマンションやアパートの収益物件は

考えている以上に敷地の持ち分が少ないものです。仮にその物件を収益還元評価で購入したとしても

将来に積算価格で売却するとなった際には土地の持ち分があまりにも少ないと今までの賃料収入も

売却損で台無しになってしまう可能性があります。耐用年数も短くなっていきますので売却時に

次の買い手がローンを組めない・売却損が大きすぎる等のリスクも生じる可能性があります。

そもそも築浅の物件では耐用年数による建物価値の減少はローンの支払い金利以上に注意しておきたい

所です。購入時に出口戦略もある程度考えておく必要があります。建物の価値は年々減少していきますし

また老朽化により建物の再建築が必要になった際にも持ち分を提供する事で再建築時の費用を

カバーする事も可能ですし等価交換等に有利に働く場合もあります。

またマンション等の土地は当然ですが勝手に処分する事もできませんし動かす事もできませんので

金融機関としても戸建て等と比較するとその評価はかなり低くなる傾向があります。場合によっては

半分近くになる場合もあるでしょう。考え方によっては建物はおまけと考え土地中心の物件を選択する

事も必要かと思われます。

オーナーチェンジ時に総戸数を考えていなかった?

マンションは1戸で考えるのではなく全体として捉える事も必要になってきます。

一般的に収益物件として考えるにはそのマンションの総戸数が30戸以上は欲しい所かと思います。

例えば20戸数の小規模なマンションと100戸のマンションでは当初の修繕積立金の金額は

同額程度であったとしても数十年後の修繕積立金の額は20戸数のマンションの方が圧倒的に

高くなります。もちろん建物規模が違いますので上記2つの建物の修繕工事費用が同じとは言えませんが

修繕工事費を20戸数で負担するのと100戸で負担し合うのとでは大幅な違いが出てきます。

20戸の建物と100戸の建物を比較すると戸数が5倍だからといって修繕工事費は5倍には

なりません。せいぜい2~2.5倍くらいではないでしょうか。

また戸数が少ないと将来的に修繕積立金が不足しその結果過大な修繕一時金も発生し利回りが悪化し

退去や不良入居者を招く事にもなりかねません。戸数が少ない建物は管理組合が機能していない

建物が多い傾向もあります。また修繕積立金が滞納されていると売却価額を下げないと購入者が

見つからないケースもあり事態は悪化していく一方です。

オーナーチェンジ時に不法な転貸借がなされていた?

オーナーチェンジ時には建物にも注意をする必要がありますしその管理体制にも気を配りたい

ものですが、実際に入居している賃借人にも注意が必要です。前オーナーの賃貸借契約書が

あったとしてもその契約者が入居しているとは限りません。最近多いのが反社会勢力・宗教団体・

詐欺グループへの転貸借です。これらに属する人たちはまともに部屋を借りる事が出来ない場合が

多いです。そのため知り合い等の人間を使い部屋を借り転貸借(又貸し)する形で入居している

場合があります。一度入居してしまうと退去させるのは困難です。例え賃貸借契約書に暴力団・

宗教団体排除の条項があったとしても借地借家法が借主保護を唄っている限り即時解約という訳には

いきません。

強制執行まで持っていくとしてもかなりの時間とお金がかかります。また近隣住民から苦情が出て管理組合

で問題になる可能性もあります。防止策としては当たり前の話ですがそのような物件には手を出さない

事です。もし手を出してしまったら明け渡し訴訟に踏み切る事になります。そもそも無断転貸は

違法であり転貸する際には貸主の承諾を得なければなりません。ですから元の契約者を探し出し

無断転貸という契約違反を理由としてその仲介業者に対して賃貸借契約解除の申し出をする必要が

あります。また訴訟にはその部屋に契約入居者とは異なる第三者が入居している事を特定させる

作業も必要になります。要は証拠作りです。例えば家賃の入金名義・郵便物からの名前の割出し・

敷地内駐車場に停めてある車のナンバープレートからの氏名特定など手がかりは幾つかあります。

これらの証拠を持って裁判所に建物賃貸借契約の解除及び明け渡し訴訟を提起する事になります。

とはいえ訴訟をするとなればそれなりに時間がかかるもの。やはり最初からこのような物件には手を

出さないよう、事前の調査が物を言う事になります。尚、これらの人たちに立退料の提供は

御法度です。立退料を提供して退去したとしてもその後にまたその仲間が一般人を装って

入居し再度立退料を求める、、というエンドレスになります。粛々と法的手続きに移行したほうが

得策かと思われます。

オーナーチェンジ時にプロパンガスやネット等の契約残存期間が残っていた?

新築工事時に所有者によっては配管工事や給湯機の貸与を無償で行ってもらう代わりにプロパンガス

会社とある程度長期間の契約を締結している場合があります。このような物件を購入する際には不動産

業者から説明がある事が一般的ですが売主もこのような詳細な話は隠しているか覚えていないケースも

多く実際に問題になる事があります。このプロパンガスの無償貸与システムは大抵は10~15年程度の

契約期間で締結される事が多いので築15年迄の建物には特に注意が必要です。特に最近では

賃借人がプロパンガスを敬遠する傾向があり都市ガスや今より料金の安いプロパン業者に依頼する

ケースがありますが、安易にプロパン業者を変更すると多額の違約金を請求されるケースがあります。

ポイントとしては前の所有者がどのような契約をプロパン業者と締結していたかという点につきます。

どのような設備品を貸与してもらい契約期間内に解約する場合にはどのような基準で違約金が発生

するのかを詳細に確認しておく必要があります。また実際に前所有者とプロパン業者との間で貸与契約

がなされていたとしてもオーナーチェンジ時にその旨の説明がなされていなければ責任追及する事も

検討出来ます。またプロパンガスに関わらず他にもインターネット業者との提携契約等も同様のことが

言えます。特に一棟所有のオーナーの場合にはネット業者と提携している事が多く一戸につきリベート

いくらの契約がなされている事は多いかと思います。土地・建物だけに限らず細かい設備品等の貸与

契約や提携契約がなされていないかを事前に確認しておく事も大切です。

オーナーチェンジ時に賃借人が借家人賠償責任保険に加入していなかった?

借家人賠償責任保険とはご存じの方も多い通り、火災や破裂・水害や爆発など不測の事態に備えて

加入する保険です。通常であれば借主が不動産業者を通して賃貸借契約を締結したのであれば火災保険と

セットで借家人賠償責任保険特約に加入してもらう事が通常です。昔は引っ越しをすると保険に加入

する事に抵抗を覚えない借主が殆どでしたが、最近ではネット等の影響により業者が無理やり保険加入

させる事に対して抵抗感を覚え、借主が自己で好きな保険会社やプランを選択すると申し出るケースも

少しずつ多くなってきたように思います。また代理店になっている不動産業者であれば借主が保険加入

してくれれば保険会社から僅かながら手数料が入る事から必要補償額より少し高めのプランを勧める事も

慣習のようになっていましたが、この辺りも借主が不必要な補償額は必要ないと考え始めたきっかけの1つ

になっている事と思います。業者が勧めたプランにせよ借主が自分で決めたプランにせよ、とにかくある程度

の補償額の保険に加入しておいてくれれば大きな問題とはなりませんが、やはりオーナーチェンジ物件の

場合には借主が元々保険加入をしていなかったり、もしくは以前は加入していたが保険契約の更新を

していない・または更新保険料を支払っていない為に保険契約が既に満了してしまっていて無保険の

ケースが散見されます。この点においてはもちろん新オーナーは建物に関して自己で保険加入している

とは思いますがそれだけでは足らず、借主自身が故意で起こしてしまった事故にはオーナー加入の保険

が適用されないケースもある為、借主が保険加入をしていない・もしくは契約が既に満了してしまって

いるのであればオーナーチェンジ時に借主自身にも改めて保険加入を勧める事が必須となってきます。

オーナーチェンジ時に敷地に他人の水道管が埋設されていた?

特に戸建物件の中で古い物件や前面道路が私道等の場合に埋設されている水道管が他人の敷地を通って

引き込まれている場合があります。売買時にはその旨の説明が不動産業者からなされる事が一般的ですが

あまりに古く調査が曖昧なものや過去の記録が不明確であったりするケースも多く特にオーナーチェンジ

物件は中古物件の取り扱いが殆どな事から注意が必要です。他人の敷地を通っていると水道管や破裂

したり漏水事故が起こった場合に賠償責任等の被害も想定されます。また共用配管の場合には水圧の

影響から生活用水の使用に支障をきたす恐れもあるでしょう。またそもそもそのような土地を購入してしまえば

後々に他人の土地を通って水道管が埋設されている事が判明してからでは売却をしようにも自分の希望価格

とはかなりかけ離れた金額で売却をする羽目になる可能性があります。業者に全てを任す訳ではなく自分でも

出来る限り過去の記録や近隣の話を元にその土地の使用状況を購入前に確認しておく事が必要です。

オーナーチェンジ物件の道路付けが悪かった?

オーナーチェンジ物件というと利回りや建物の状況等に目が向きがちです。ですが特に戸建

物件の場合等は道路付けも注意してみる必要があります。道路付けが悪いと将来的に思うように

売却が出来ない事態にもなり兼ねません。特にご存じの方も多い通り建物は建築基準法の道路に

2メートル以上間口が接道している必要があります。また全面道路が4メートル未満の場合には

立て替え時等にセットバックを迫られる等の規制があります。接道状況により将来的に宅地分譲できない

ケースも想定される事から土地や建物だけでなく道路付けはとても大切です。また道路の幅員の広さも

土地の価値に影響を及ぼしますし土地の接道が二方道路か・三方道路かによっても土地の価値は

大きく異なります。またご存じの通り角地は評価が上がる傾向もありますし向きとしても一般的には

南・東・西・北の順に高評価となる傾向があります。建物や土地だけに捉われず道路付けを

始めとした周囲の状況に目を向ける事も必要になります。

オーナーチェンジ時の購入価格が高過ぎた?

当然の事ですがオーナーチェンジ物件を始め投資案件は購入時の金額で将来的な利回りが

変わってきます。いかに優良物件であったとしても購入時に割高で購入してしまってはその後

どんなに物件に手を加えても中々思うような収益は確保できません。また将来的に物件を売却する

場合でも購入時の価格が高ければ売却損が出る可能性が高くなります。例えば購入時に収益還元評価で

購入したとしても売却時に同じ収益還元評価で売却できるとは限りません。また経過年数とともに

評価額は低くなる事が普通ですし途中のメンテナンス費用等を考慮すれば大きくマイナスに

振れる可能性もあります。また木造では耐用年数は22年・鉄骨造では34年と決められており、

残存年数次第では次に購入する人が融資を受けられなくなる可能性も出てきます。その結果買い手が

付かず更に価格を下げなければ売却できないケースに陥る事も多く、建物を解体して土地のみ売却を

するとしても解体費用や賃借人の立ち退き費用の捻出も余儀なくされるケースもあります。耐用年数は本来

税法上の減価償却の目安の筈が取引時にも物件価格に連動される構図になっています。建物の

価値が目減りするスピードは早く新築で言えば10年経過すれば3~4割の建物価値が目減りする

事になりとても軽視できません。将来的な出口戦略をしっかりと考えた上で購入価格を決定したい所です。

 

オーナーチェンジ物件について簡単に書いてみました。オーナーチェンジ物件は基本的には住宅ローン

が利用しにくい物件です。住宅ローンは基本的には自己居住用に用意されているものが多いからですね。

また耐用年数の関係で十分なローンが引き出せるとも限りません。

またオーナーチェンジでオーナーさんが変わるとはいっても基本的には契約自体はそのまま引き継がれ

ますので大きなトラブルとなる事は少ないかと思いますが、法律云々という前にオーナーが変わると

いう事は契約相手が変わるという事です。相手も人間ですから人によって考え方やとる行動はそれぞれ

です。オーナーチェンジがあるとしても、その契約内容の変化の有無や周辺の事情などを考慮して冷静に対

処していきたいものですね。

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