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市川 賃貸 立て替えた修繕費用を請求できるか

今回は修繕費用の立て替えのケースについて簡単に書いてみようと思います。

修繕費用の立て替えとは例えば借りている建物のどこかが腐食したり設備が故障したりした場合の

修繕費用を借主さんが負担する事です。

お部屋の設備などについて借主さんの使用方法に故意や過失があればそれは借主さんの負担となる場合もあります。

しかし通常であれば建物の不具合などが発生した場合には貸主さん(大家さん)に修繕の責任があります。

不具合が発生すればすぐに対処してくれる大家さんがほとんどだとは思いますが、一部では早急に対処してくれない

大家さんもいるかもしれません。

またその不具合の程度も関係してきます。例えば「エアコンの風量切替ができない」と借主さんが大家さんに交換を

お願いしたとしても大家さんとしては、「まだ動作するんだから交換には応じられない」と主張される事もあるかと

思います。その点は大家さんの賃貸の考え方や余裕資金にも関係してくるとは思います。

また不具合が生じたままでは生活上の安全を確保できないといった事案も発生する可能性もあります。

例えばベランダが木造になっている物件で築年数も古く、てすりが腐食しており今にも崩れ落ちそう、、

なんてケースでは放っておくと事故に繋がる恐れもあり借主さんの生活上の安全を確保できません。

その時にもし大家さんが早急に対処してくれれば良いですが、修理には費用がかかりますしベランダを交換する

としたら古いベランダの撤去もしなければなりませんし、その廃棄費用もかかります。また当然新しいベランダの

費用も捻出しなければなりません。簡単に即決できない場合も出てくるかと思います。

立て替えた修繕費用の請求

例えば上記の例の場合、半年間とか1年間と長期間ずっとてすりが腐食したままで大家さんが何も対応してくれ

なければ、借主さんとしては自分で業者に修理依頼をするといった行動を取る方もいると思います。

もしくは退去を考える方もいるかもしれません。

では不具合の工事や交換の費用を借主が負担した場合、その費用を後で貸主さんに請求できるか、という点ですが

借主さんは貸主さんの負担となる必要費を立て替えて支払った場合には、その必要費を貸主さんに請求できる事に

なっています(民法608条1項)

「必要費」とは手を加えなければ通常使用される際に支障が生じる場合に支出される修繕などの費用」を指します。

貸主さんは修繕の責任を果たしていなかった事になりますから、借主さんが立て替えた必要費の請求に応じる

必要があるという事です。

もっとも貸主さんが早めに修繕の手配をしていたり修繕の意思があるにも関わらず、借主さんが勝手に他の業者に

頼んで修繕をしてもらった、なんて事になると貸主さんの支払責任は免責となる事があります。

造作買取請求権

それでは別のケースとして例えば部屋にエアコンが付いていなかったとします。夏や冬は特にやっぱりエアコンが

ないと厳しいです。そこで借主さんが自分でエアコンを取り付けた場合、貸主さんにそのエアコンを買い取って

もらえるか?というケースではどうでしょうか。

あくまで貸主さんの承諾が必要ですが借主さんは貸主さんに退去時にそのエアコンを買い取ってもらうよう請求

する事ができます。(造作買取請求権)但しこの場合はエアコン代金全額を買い取ってもらう事は出来ず、退去時に

残っているエアコンの時価分のみを請求する事になります。

但し契約時に「借主は造作買取請求する事ができない」旨の特約付きで契約を交わしている場合には造作買取請求権

を行使する事はできませんので注意したい所です。また造作買取請求権は入居中は行使できない事も注意したほうが

良さそうですね。しかし細かい話ですが造作買取請求権の「造作」とは具体的にどこまでが造作に含まれるかという

事については専門家でも意見が分かれる事があるほどです。個人的には上記のエアコンも含め障子や襖、網戸や雨

戸、電機やガスの引き込みに要した費用等も買取請求権の対象になるような感じもします。

 

当たり前の事ですが、建物やお部屋の不具合が発生した場合には、早めに大家さんや管理会社へ連絡をしましょう。

賃貸管理を真剣に考えてくれている大家さんや会社さんであればあるほど、早急なトラブル対処が入居者の退去を

防ぐ防衛策の1つである事を認識なされているかと思います。何にしても大家さんに借りているお部屋なのですから

独断で行動せず、相談するという事が大切だと思います。

 

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